ハッピーウエディング

お嬢様の憂鬱




"宇野財閥の娘なんだからちゃんとしなさい"





小さい頃から両親の口からこの言葉しか聞いたことが
ないと言っても大袈裟ではないほど何回も言われ続けてきたセリフ




日本でトップ3を争う巨大財閥である宇野財閥の家系に一人娘として産まれてきた私 宇野 麗華は食事中に落としてしまったフォークを見つめながら両親から浴びせられたいつものセリフに思わず溜息をつきそうになった。




私を大事な一人娘というよりは財閥の娘という意識のほうが高い両親は昔から物凄く私のミスやこういう人として誰でも有り得るドジを責める人だし人としての完璧を求める人







学生の頃1度だけテストで学年2位になってしまった時はそれはもう大騒ぎで"2位なんて恥ずかしい"と叱責された時はこっちも頑張ってるのになと1人で夜通し泣いたっけ





少しでも隙を見せればあっという間に越されてしまうし潰されてしまってもおかしくない財閥の厳しい世界






この家に産まれてきた以上いつ誰に見られても恥ずかしくないように育てたいという両親の気持ちは理解しているけど物凄く窮屈であるしこんなこと言ったらあれかもしれないこど普通の家庭に産まれてきた方が両親のからの愛情はたくさん貰えると思う







自分では気付いていなかったけど今日は物凄く機嫌が悪い日らしくもうすぐ25歳になるのにフォーク落として軽く怒られたくらいで何だか無性にイライラしてこのまま家にいたら気が狂ってしまいそうなので早めに食事を済ませて逃げるように気分転換に外に出た






こういう日はいつも大体決まってしまう散歩ルート






ちょっとした反抗で今日は両親から治安が悪いからあまり行くんじゃないと言われてる繁華街があるいつもと真逆の方向に歩く足を進めればそれだけで両親と逆らったような気がして変に心拍数があがる私がいた。
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