繋いだ手は離さない
 彼女がボクに対し話すことで、それが明らかになった。


 それは愛理香の母親が父親を見捨て、二周り以上違う若い男と不倫していたのだ。


 しかも、堂々とその新しい彼氏を家に連れてきていた。


 愛理香は途方に暮れていた。


 一体、父親と母親のどっちに味方すればいいのかと……?


 そして愛理香は決めたらしい。


 自分は父親の方と一緒に暮らすと。


 愛理香はボクとは逆パターンで父親の方に付いて、母親側に引き取られた弟たちとは別れてしまった。


 造園業を継いだのは、彼女の一番上の兄だ。


 結婚してもう男の子と女の子が一人ずついる。


 愛理香にとってみれば、可愛い甥っ子と姪っ子だ。
 

 事業は上手くいき、ボクのオヤジが潰した会社とはまるで正反対だった。
 
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