繋いだ手は離さない
 ボディーソープを塗ったタオルで体も洗い合い、ゆっくりする。


 バスルームの中には熱がこもっていて、おまけに外は五月の暑い日差しだ。


 ボクたちは冷たいシャワーを掛け合って、体を冷やしながら寛ぐ。


 夕食に愛理香が冷やし中華を作ってくれ、二人で食べる。


 ツルツルとした麺を口に入れながら、彼女が呟くようにして言う。


「……もう出会ってから、四年が経っちゃったわね」


「ああ」


「今でもあたしを好きでいてくれる?」


「もちろんだよ。君がいない人生は今の俺には考えられない。それだけ大切って事さ」


「そう」


 愛理香が頷くと、ボクがもう一度口を開く。


「愛してるよ、愛理香」


 突然の愛の言葉にも、彼女は全く惑わず、
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