繋いだ手は離さない
「あたしもよ、純平」


 と返してくる。


 その夜、ボクたちは部屋でゆっくりしながら、夜遅くまで話をしていた。
 

 ボクも愛理香も両想いだ。


 二人でいてもまるで以心伝心のように互いの心中が伝わってくる。


 ボクは彼女を抱くたびに思ってしまう。


「大切にしたいな」と。


 そして愛理香はいつも微笑んでくれるのだ。


 ボクたちはとても幸福なカップルだった。


 お互い分かり合えている者同士で。


 愛理香は平日は欠かさず研究室に顔を出し、自分が専攻していた日本語学に関して、研究を続けていた。


 ボクは部屋で執筆し続けている。

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