繋いだ手は離さない
 アイスコーヒーはマグカップに粉末を入れて、上から直接水道水を足し、匙で混ぜ合わせて作る。


 この町は水がよく、水道水も安心して飲めた。


 それにボクは水に溶けるタイプのコーヒーを買っていたのだ。


 しかも小瓶を安いときに一気に二つぐらい買い込んでいた。
 

 ボクが普段行くスーパーは週の中日である水曜が安売りセールで、ポイントカードのポイントが三倍になるのだ。


 だからボクもそれを狙って、水曜日に食糧や日用品などを買い溜めしていた。


 愛理香もどうやらそのスーパーを利用しているようで、お互い買い物に関してはかなり賢い。


 ボクが水曜に偶然店内で彼女を見かけたことがあったからだ。


 そのとき、愛理香は同級の女子学生と一緒いたので、ボクが声を掛けるとまずいと思って、あえて声を掛けなかったのだが……。


 ボクたち二人は食事の好みも微妙に違っていた。
 

 ボクが中華など脂っこいものをたくさん食べるのに対し、愛理香はご飯と味噌汁など和
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