繋いだ手は離さない
食を中心に食べていて、しかもバランスがよかった。

 
 繊維類など不足しがちな栄養も、こんにゃくなど食事で取っていた。


 肉類中心のボクが慢性的に便秘なのに対して、彼女は便通がいいらしい。


 これは極自然な現象なのだ。


 肉ばかり食べていると、当然ながら便秘してしまう。
 

 それに男の一人暮らしだと、自炊しないで外食ばかりなので、どうしても栄養が不足する。


 ボクはなるだけ自分で作ろうと思っていたが、それがなかなか実行できずにいた。


 だから、愛理香が来て食事を作ってくれるとなると、二人で食卓を囲むのが俄然(がぜん)楽しくなる。


 彼女はボクが淹れたコーヒーを飲むと、散らかっていた部屋を片っ端から掃除し始めた。


 隅々まで掃除機を掛け、綺麗に掃除してしまう。


 ボクはその様子をじっと見つめていた。


 リビングにあるテーブルに座ったままで、だ。
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