繋いだ手は離さない
“コイツは俺とばっちり合ってる”
そう素直に思えてしまうぐらい、彼女はボクと呼吸が合っている。
ボクは性交しながら、考えていた。
ボクたち二人が付き合い始めたときから今までを、だ。
それはかなり前に遡(さかのぼ)る。
ボクと愛理香が出会ったのは、二人が在籍する高北(こうほく)大学人文学部に入学した、今から三年ちょっと前だ。
四月らしくキャンパスのあちこちにはちょうど桜が咲いていた。
入学式の後で、学部長である教官がやけに長く、面白くない話をしたのを今でも覚えている。
ボクと愛理香はその席でたまたま隣り合わせになった。
互いに惹かれ合うものがあったのだろう。
ボクの方から声を掛けてみた。
「あのー……」
そう素直に思えてしまうぐらい、彼女はボクと呼吸が合っている。
ボクは性交しながら、考えていた。
ボクたち二人が付き合い始めたときから今までを、だ。
それはかなり前に遡(さかのぼ)る。
ボクと愛理香が出会ったのは、二人が在籍する高北(こうほく)大学人文学部に入学した、今から三年ちょっと前だ。
四月らしくキャンパスのあちこちにはちょうど桜が咲いていた。
入学式の後で、学部長である教官がやけに長く、面白くない話をしたのを今でも覚えている。
ボクと愛理香はその席でたまたま隣り合わせになった。
互いに惹かれ合うものがあったのだろう。
ボクの方から声を掛けてみた。
「あのー……」