繋いだ手は離さない
「じゃあ、ちょっと遅いけど、朝ご飯一緒に食べようよ」


 と言葉を重ねた。


「ええ。美味しそうね」


 愛理香は目の前で用意されていた食事に有り付くため、両手を綺麗に洗って、テーブルに座る。


 ボクがコーヒーを飲んでいると、彼女がお腹を空かせていたのか、トーストを齧り、野菜炒めを頬張る。


 何気ない秋の一日の始まりだった。


 そしてボクたち二人は、食事を平らげた後、ベッド上でいちゃつき始める。


 若いというのは何かに付けて特権なのだ。


 ボクたちはベッドの上で抱き合いながら、遠慮なしにキスし合う。


 何度も何度も口付けを繰り返し、互いの体にある敏感な部分に愛撫を繰り出す。


 ボクたちは抱き合い続けていた。


 そう、互いにすっかり飽きてしまうまで……。
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