繋いだ手は離さない
 それを適宜(てきぎ)修正してから初めて、原稿の末尾に<了>の字を入れられるのである。


 ボクも過去に創作をやった経験はあるのだが、本格的に新人賞に応募する原稿を書くのはこれが初めてだった。
 

 そして一大学生の身分ながら、ボクの創作家としての活動はすでに始まっている。


 これがものになるのかならないのか、全く分からない状況のまま……。


 幸いにして、講義の合間を縫えば時間は相当ある。


 ボクは本格的に公募するのと同時に、自分のブログでアップする原稿を毎日四枚から七枚程度書き綴り始めた。


 筆力を付けるのにこれはベストな方法なのだ。


 連載小説は途切れることなく続くからである。
 

 ボクは夜更けに少しだけ眠り、翌日の朝早く起きて、連載の原稿を書いた。


 愚直なまでに続けようと決めたのである。


 これはある意味決意だった。


 創作をする人間は何かしら書き続けないと、即退歩が始まると思ってである。
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