繋いだ手は離さない
 しばし、ゆっくりした。


 互いの呼吸が整うまで。


 荒かった息が段々と落ち着いたものへ変わっていく。


 ボクも愛理香も一休みして呼吸を整えると、さすがにお昼が食べたくなって、彼女が作ってきていたお弁当を、木で出来たテーブルの上に広げる。


 お昼時で楽しい話をしながら食べ続けた。


 ボクたち二人は食事を取りながら、前方の綺麗な景色に見入る。


 チラッチラッとだが、ボクも愛理香も視線を町へと向けながら、時折目が合うと思わずクスッと笑ってしまう。


 やがてお弁当を食べ終わり、ボクたちは町を一望しながら寛ぐ。


 付き合っているボクたち二人にとっても、一緒にいられる時間はそうないので、貴重だった。


「この景色、撮っとくから」


 愛理香がそう言い、カメラ付きケータイで、目の前の光景をカシャリカシャリと撮る。

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