繋いだ手は離さない
車を出す。

 
 その夜、ボクはそのまま自分の部屋へと戻り、掻いていた汗を冷たいシャワーで洗い流して、風呂上りに軽く缶ビールを一本飲んだ。


 ベッドに寝転がり、ゴロゴロしていると、そのまま寝入ってしまう。


 ボクは翌朝、早起きして、冷たいコーヒーを一杯淹れ、バターとジャムを塗って焼いたトーストを一枚齧った。


 軽く朝食を済ませ、パソコンに向かう。


 今日は愛理香との約束が入っていない。


 ボクは丸一日原稿を書くつもりでいた。


 今が七月だから、後期の授業が始まるまでに二ヶ月ほどある。


 新たに応募する新人賞の原稿ははかどっていた。


 恋愛小説で、一応目標は二百五十枚だ。


 ボクは夏の間に一作書き上げ、並行して毎日、ブログにアップする原稿を四枚から七枚、コンスタントに書き続けていた。
 
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