繋いだ手は離さない
 さすがに学生は時間が持て余すほどあるから、ボクは執筆ばかりしている。


 そして疲れると、ビデオに録っていたドラマや映画などを見るのだ。


 ボクは基本的にドラマが好きだった。


 創作の源泉となるからである。


 キャストの演技なども小説の登場人物にオーバーラップさせることが十分可能なのだ。


 ボクはテレビでオンエアーされているドラマを見てしまうと、大抵近くのレンタルビデオ店に借りに行く。


 今はDVDもあって、DVDプレイヤーを持っていないボクはパソコンのドライブにインサートし、じっくりと見ていた。


 ワンシーンワンシーン見ながら、小説に活かせないか、考えている。


 これが案外楽しい。


 ボクのネタ拾いはこんなところから始まるのである。


 そしてドラマを見る時間は一日二時間までにし、後はまた創作に専念する。


 ボクは大学二年の夏を創作活動を主軸にして送った。
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