繋いだ手は離さない
 二人きりで過ごせる二度目の冬がやってきた。


 ボクも愛理香も気持ちが十分通じ合っていたので、二人で仲良く過ごした。


 年末になり、冬休みが始まる。


 ボクたちは二〇〇六年の年末を愛理香の部屋で過ごし、テレビでカウントダウンライブを見ながら、無事年を越した。


 二〇〇七年のスタートは後期試験の試験勉強からで、ボクは愛理香が取ったノートを見ながら、一応一通り勉強する。


 大学の試験などかなりの科目がノート類の持込み可で、しかも受講する学生側が答案用紙にいい加減なことを書いていても、教授は大概通す。


 高北大も例外なくそうだった。


 ボクも愛理香も二年の後期試験は無事通りそうだったので、全科目試験を受け終わって、後々、


“まずいこと書いちゃったかな”


 と思いながらも、後は教官が通してくれることを期待していた。


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