繋いだ手は離さない
 でも、ボク自身、夢を諦めたくはなかった。


 普通の職場で働くのを放棄している以上、ボクは才能で生きていくしかないからだ。


 大学三年というのは、実に微妙な時期だ。


 やりたいことをやれたとしても、それで生きていけるだけの保証がない。


 それに頭の中でイメージしている夢を徐々にではあるが、実現していける年齢なのだ。


 つまり可能性に関しては、早すぎもせず、かといって遅すぎなわけでもない。
 

 ちょうどいい年齢なのだ。


 ボクは年度初めに、


“今年は最低一次ぐらいは通過する作品を書いてみよう”


 と思っていた。


 あと、自分のブログでの連載小説も欠かさずに続けるつもりでいた。


 ボクは段々と現実が見えつつあった。


 それは受け入れるにはあまりにきついものばかりだったが、人間として生きている以上、
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