繋いだ手は離さない
致し方ないのだ。

 
 それに試行錯誤を経て、結実するものもある。


 ボク自身、まだまだ自分の可能性は試せると思っていた。


 愛理香と一緒に大学に通いながら、ボクたちは週末や休みの日などに会って、二人で書いていた作品を見せ合いながら、いろんなことを勉強しつつあった。


 まるでボクは彼女の方をも、創作に巻き込んでいるような気がしないでもない。


 だが、愛理香は全然迷惑している風には見えなかったし、逆に彼女も技術的にはまだまだ浅さや甘さが見えはするものの、ボクと同じく創作家を目指すような感じがある。


 現段階で卒業時点での就職をほぼ諦めているという点では、ボクも彼女も同じだった。


 ボクも愛理香も創作というものの楽しみに浸っているのが十分分かる。


 そしてボクたちは作品を書くのに飽きると、セックスのお勉強の方もしていた。


 愛理香は二十一歳で女性として成熟し始めた頃だ。


 互いに裸になって裸体を惜しげもなく曝し合うと、それがよく分かる。


 それにボクも愛理香も互いに刺激されると一番感じる部分を、それまでのセックスの体
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