繋いだ手は離さない
験から学習していた。


 ボクの性感帯はペニスの裏筋で、愛理香のそれは胸だった。


 彼女の胸はまるで豊胸したかのように豊かだ。


 ボクたちは愛おしい部位に愛撫を繰り返しながら、性交する。


 途切れることなくそれが続いていく。


 ボクも愛理香も、二十一歳の夏はゆっくりと堕ちていった。


 だが、不思議と違和感がない。
 

 もっと堕ちていきたいと思うことすらある。


 それにボクたち二人は性交に疲れると、互いにシャワーを浴び合って、スキンシップするのを忘れなかった。


 五月で外はすでに暑く、ボクたちは冷たいシャワーで掻いていた汗を洗い落としながら、ゆっくりと呼吸している。


 二人で入浴して、乾燥済みのバスタオルで水分を拭き取りながら、ボクたちは風呂上がりにビールで乾杯し合った。

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