繋いだ手は離さない
 ホテル自体が十二階建てなので、一階上になるとビップが泊まる部屋がずらりと並び、ボクたちは高い金は出せなかったので、一階下の十一階に部屋を取っていた。

 
 その夜、シャワーを浴びたボクたちがベッド上で思う存分寝乱れたことは言うまでもない。


 夜が滔々(とうとう)と更けていった。


 ボクたちは一際熱く交わった後、室内に佇みながら寛ぐ。


 新たな朝が訪れては、太陽の光が部屋の中に差し込み、ボクたちは自然と目が覚めた。


 その日、モーニングコーヒーを淹れたのは愛理香だ。


 ボクも追って起き出す。


 二人でいつも通り、コーヒータイムを楽しみ始めた。


 新宿の騒がしさが窓越しに伝わってくる。


 だが、ボクたちは一晩泊まったからか、東京の空気に慣れ始めていた。

 
 それからボクたち二人の東京散策が続いたが、三泊四日の日程も無事終わり、ボクたちは地元へと戻る。

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