ハイスペ幼なじみの独り占め計画。
「荷物。貸して。歩けないなら家までおんぶでもしようか?」



優しい手つきで私の手からカバンを奪う。


冷たく感じていたから余計に優しさがしみる。



「ありがとう。でも大丈夫」



言うんだ。今日、別れようって……。


もうこれ以上お互い我慢したくない。






豹牙くんの家に着いて玄関に入る。


私は靴を脱がずにそのまま立っていた。



「紬?」



「あのね、豹牙くん。私たち別れよう……?」




『幼なじみに戻りたい』そう言おうとしたけど、涙が邪魔をして言えなかった。



声も震えてこれ以上喋れない。
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