ハイスペ幼なじみの独り占め計画。
「あ、え、豹牙くん?」


「今日おばさん帰るの遅くなるって言ったでしょ。夕飯、作ってほしいって頼まれてるから」



「自分で作るから……っ!今日は、大丈夫……」



豹牙くんの体の向きをぐるりと変えてドアを開ける。


どうして顔も確認せずに飛びついたりしたんだろう……。



静まり返る家に気まずさを感じる。


沈黙を破ったのは豹牙くんのため息だった。




ため息をつくとゆっくりと顔をこっちに向けた。



「紬が料理して成功したことあったっけ?」



「うっ……」



「おばさんにキッチン立ち入り禁止にされてるの誰だっけ?」



「うぐ……」



豹牙くんの笑顔が怖くてゆっくりと目線を横に逸らした。
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