アイドル彼氏
「酷いよ。静香ちゃん!」
啓君は、まだ真っ赤に顔を染めながらあたしを見た。
「…でも、可愛いから許すわ。。なんて?」
そう言ってまた顔を隠した。
あたしは、何がなんだか分からない状態で首を傾げた。
すると、啓君は頭をかきながら立ち上がりあたしの隣に立った。
あたしは、啓君を見上げる。
「静香ちゃん…俺さ、」
啓君があたしの隣に座ってあたしを見ながら言った。
「静香ちゃんのこと…」
あたしは、唾を呑み込みながら言葉を待つ…
でも、啓君は
「…やっぱ無理。」
と小さく呟いた。
「…啓君?」
あたしは、啓君の顔を覗き込む。
「……やっぱ、何でもないわ!!」