アイドル彼氏
「…ちょっと二人だけで喋ろうぜ?」
親指をたてて楽屋の扉を指差した。
陸は、大人しく頷いた。
「雅紀ーちょっと陸と話してくるわ。」
雅紀は、俺達に気付くと何か言いたそうな顔をしていたが一瞬にして笑みに変わった。
「行ってらっしゃい。」
多分…俺が陸にキレちゃうか心配なのだろう…
でも、キレたりしない…
余程のことがないかぎりな??
「おぅ。」
そう笑顔で雅紀に手を振って楽屋を出ていった。
俺の後に陸がついて来る…
そして、誰も通らない廊下の隅に辿り着いた。
俺は、振り返って陸と視線を合わせる。
「…話すって何話すの?」
陸が最初に口を開いた。
俺も直ぐに口を開いた。
「ん?簡単に言えば静香ちゃんと真理恵さんの話し。」