アイドル彼氏




「ごめん…」


二人同時にソファに座ると陸が突然謝ってきた。


あたしは、つい


“いいよ”と言いそうになった口を噛みしめた。


「…って許してくれる問題じゃないよな。」


陸は、頭をかきながらあたしを見下ろした。


あたしは、顔ごと陸から反らす…


「当たり前じゃん。やっぱ…こうなるんじゃん。。てか、真理恵さんが仕組んだんでしょ?」


「…うん…。」


「あたし言ったよね?真理恵さんとは、友達としてでも好きにならないで…って。。」


「で、でも俺にとっては…初めてのドラマだし…共演者の皆と仲良くしたいって…」


「別に…皆と仲良くしてないでなんて言ってない。あたしが言いたいのは、真理恵さんだけ…」


あたしは、もう一度陸に顔を向けた。


「あの人、何するか分かんないんだよ?って言ったじゃん!!」


また涙が溢れた…




< 154 / 211 >

この作品をシェア

pagetop