アイドル彼氏
「ふーん。俺は、今まで通りがいいなぁ」
今度は、啓が『通常通り』と俺の書いた文字の隣にそう書いた。
「…雅紀は?」
俺は、白いボードを真剣に見つめる雅紀に尋ねた。
「俺は…別にどっちでも?」
雅紀は、白いボードから目を反らさずに俺の問いに答えた。
「…んじゃ、どうすんの?」
ボードの隅にラクガキをしながら啓は、呟くように言った。
「…てか、静香ちゃんって本当に来るのかな?」
………しーん………
バコッ
啓が、雅紀の足をおもいっきし蹴った。
「イッて!!おめ、何すんだよ!!」
「何すんだよ!じゃねぇだろタコ!!」
……別に……
「別に…気にすんな。逆に気使われる方が嫌だし。」