アイドル彼氏




「それと、二人の関係が世間の人達に知られても平気で堂々としている陸君を彼女さんは見たかったんじゃなかったんですか?」


「…でも、真理恵さんはそう簡単に許せる相手じゃない。」


「そうですけど、彼女さんの前で逞しくいていれば彼女さんは辛い思いも乗り越えられたはずです。」


……乗り越えられた?


「そんなこと…」


俺に出来たわけがない…


「彼女さんが大事なら、真理恵さんなんてそこまで考えなかったと思います…でも、陸君にとっては真理恵さんや啓君も彼女さんくらいに大事していました…」

田代さんは、一筋の涙を溢して笑った。


「陸君らしいです…」


田代さんは、こんなことを思っていてくれてた…


まるで、静香みたいに…




< 194 / 211 >

この作品をシェア

pagetop