アイドル彼氏
「えっ…あぁ…ちょっとな?」
「…俺に言えないことか?」
「…言えないってわけじゃないけど…」
啓の目が泳ぐ…俺は、啓から目を反らさないでじっと見つめる。
「言えよ。陸とかには言わないからさ?」
「………俺さ………」
ガチャッ
啓が喋りだしたと同時に楽屋の扉が開いた。
「…真理恵さん?」
「あのっ……ちょっといいですか?」
現れたのは…真理恵さんだった。
俺と啓は、顔を見合わせた。。
「…ダメでした?」
真理恵さんは、しゅんとした表情で俺達を交互に見る。
啓が慌てて口を開いた。
「いや!大丈夫です!!どうしました??」
「…ちょっと来て下さい…啓さんでしたっけ?」
「えっ?俺??」
「あ。はい…すみません…直ぐ終わりますから…」
そう言って彼女は、俺を見て
「ちょっと啓さん借ります。」
と言って啓を連れ、楽屋を出ていった。