夏色物語
「お、おこんなって。
まじで悪いと思ってるからさ」
「宇美ちゃん、
ここまで謝ってるんだから
許してあげたら?」
真美がにこっと微笑んだ。
真美の愛らしい笑顔を見ると
断りづらくなってしまう。
「…わかった。許す」
しぶしぶのどから発した私の声は
不機嫌そのものであり、
とても許してくれるような雰囲気
ではなかったが
ソイツは
「じゃっこれからよろしくっ」
と能天気に私の目の前に
右手を差し出してきた。