夏色物語


「何この手」

「仲直りの握手」

「は?」

 それでも差し出してくる手。
真美が勝手に私の手を動かして
無理やり握手させる。

 と、その時。
ソイツの顔が急に私の耳元に
近づいて


「…でも、今日の放課後、
俺に付き合ってね。さっき
俺に恥かかせたバツ」


 とささやいた。

「!?」

「じゃあね~」


 ソイツは軽く
バイバイ、と手を振ると
教室に消えていった。

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