スイーツ王子は、お菓子のようには甘くない!

第3話 ウワサと注目の的

 ○1-Aの教室(朝礼前)
 教室がいつになくざわついていることに気がつく。
 気にせずに入ると一斉(いっせい)に注目される。


 透夏(とうか)(な、なに?)


 戸惑(とまど)いつつ席に座ると、あっという間に数人の女子生徒に囲まれた。


 女生徒1「水藤さん!」
 女生徒2「聞いたよ! 昨日、スイーツ王子と一緒にいたって?」
 女生徒3「付き合ってるってウワサは本当だったの!?」


 透夏「え、ええ……?」


 女生徒1「教えてよ!」
 女生徒3「ね、お願い!」
 女生徒2「どうやって射止めたの!?」


 興味津々といった顔で詰めよられ、たじたじに。
 前日までの比ではないざわつき方に、昨日のデートが目撃されたのかな、と当たりをつける。


 透夏(ここで彼女ではない、なんてことは言えないし……)


 彼女と名乗るのは気恥ずかしさもあったが、契約もあるので設定を貫くことに。


 透夏「え、えっと。……一応」

 女生徒2「やっぱり! ねえ、どんなこと話すの?」
 透夏「えと」

 女生徒3「なんでなんで? どっちから告ったの?」
 透夏「その」

 女生徒1「王子を落とすテクがあるなら教えて~!」
 透夏「テ、テク?」


 透夏(だめだ! 話が早すぎてついていけない!)


 クラス中が透夏に注目している。
 その中には傷ついた様子の(しょう)の姿もある。が透夏は気がつかない。


 先生「お前ら席につけ~。始めるぞ」


 終始圧倒されて質問攻めに。それは先生が来るまで続いた。
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