スイーツ王子は、お菓子のようには甘くない!

 ○透夏の部屋(その日の夜)
 ベッドの上でキスの余韻(よいん)(ひた)っている透夏。
 クッションを抱えたままのたうち回ったり、赤面したり。


 透夏(うう……。無意識(むいしき)口角(こうかく)が上がっちゃう……!)


 思い出すたびににやけてしまう。


 透夏(……でも、いつも朔夜くんから好きっていってもらっているけど、まだ私から伝えられていないのよね)


 透夏の想いは伝わっているとは思うが、言葉にすることの大切さを学んだのでいずれ伝えたいと思う。
 今までは伝えるタイミングがあっても恥ずかしさがジャマをしていた。


 透夏「でも、いつ言えばいいのかな……」


 思い悩んでいると、スマホに通知がくる。


 透夏「あれ? 雪ちゃん? ……え!?」


 表示された文字は雪だった。
 何だろうと思って通知を開くと、驚きの表情になった。


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