スイーツ王子は、お菓子のようには甘くない!
○遊園地・中(楽しんでいる様子をダイジェストで)
・お揃いの耳のカチューシャを選んでいるところ
・映えポイント&キャラクターグリーティングで写真を撮っているところ
・ジェットコースターで撮られた写真で笑い合っているところ
・園内をお散歩しているところ
など
○遊園地内・カフェ(昼食)
休憩と昼ごはんを兼ねてパーク内のカフェに入る。
女子二人が席を取り、男子が注文に行ったところ。
雪「はあ~!! 楽しい~! でも疲れたねぇ」
透夏「いっぱい歩いたもんね。足が痛くなっちゃった」
雪「あはは! 分かる分かる。普段使わない筋肉使ってる感じするよね。明日筋肉痛かも~」
透夏「確かに!」
よい笑顔で笑い合う二人。
雪「っていうか、今日は付き合ってくれてありがとうね。初めて友達とこんな風に遊んだから、すっごいはしゃいじゃった」
透夏「こちらこそありがとう! 誘ってもらえなかったら遊園地なんか、未だに来れなかったかも」
雪「そうかな? いずれ朔夜が誘ってた気がするけど」
透夏「そう言えば朔夜くんは遊園地経験者だって言ってたよね」
雪「そうそう。小さいころは家族で観覧車乗ったんだって自慢されたりしていたわ~」
透夏「そうなんだ。今からだと全然想像つかないね」
小さいころ特有のほっこりエピソードが聞けて、思わず笑ってしまう。
透夏「昔の朔夜くんって、けっこう活発だったの?」
雪「うーん。そうねぇ。おじい様がまだ生きていたときは割とクソガキだったかも」
透夏「おじいさん? っていうと、先代の天宮グループ社長?」
雪「そうそう。おじい様は海外に出るよりも国内で固めたほうがいいって意向だったんだけど、朔夜のお父様は海外にでて成長を続けようって意向でね。……対立し始めてからは、朔夜もだいぶひねくれちゃったんだよね~」
透夏「なるほど……」
子供の朔夜は祖父と父が対立していたとき、どちらに付くことも、意見をいうこともできなかった。
それどころか家の空気が悪くて、肩身の狭い思いをしてきたらしい。
知らないところでいろいろと苦労していたようだ。
雪「ま、それが今じゃ完全復活しちゃって~。クソガキ部分が出るわ出るわ……。大丈夫? ウザいくらいからかわれない?」
透夏「あ、ははは」
雪「あんまりにもウザかったら言ってね! いつでも相談に乗るし」
透夏「うん、ありがとう。でも大丈夫だよ。からかわれることはあるけど、本当に嫌なことはされないし。…………たまに強引なところは、ある、けど」
雪「……ほ~ん?」
キスマーク事件のことを思いだした透夏、言葉がしりすぼみになる。
何かを察知した雪がにやにやとしだした。
雪「なになに~? もしかして、もう結構進んでる感じ?」
透夏「なっ!? ち、違うよ!」
雪「え~? 恥ずかしがらなくてもいいのに~。ね、どこまでいってるの?」
透夏「そ、それは……」