スイーツ王子は、お菓子のようには甘くない!
○(回想)付き合うことになった日
透夏「つ、付き合うって、なんで!?」
突然の告白に動揺する透夏をよそに、朔夜は意地の悪い顔をしている。
朔夜「オレさ、面倒ごとっ て苦手なんだよね。派閥争いとか、争奪戦とか、そういうの」
透夏「は、はあ」
朔夜「だから余計な面倒に巻き込まれないように、人当たりの良いキャラを演じてるんだけど、そしたら今度は女が群がってきちゃってさ。ほら、オレってさ、自分でいうのもなんだけどモテる要素しかないだろ?」
透夏「自分でいうんですね……」
朔夜のイメージ(スイーツ王子)からかけ離れた朔夜の言動に動揺し、思わずツッコんでしまう。
朔夜「まあ聞けって。群がってくる女子ってステータス目当ての奴ばっかりなんだよな。もううんざりでさぁ。しかもこの高校、変な校則あるだろ?」
透夏「……『恋愛は同校の相手に限る』ってやつですか?」
朔夜「そうそれ。あれのせいで余計に近寄ってきているわけ。で、いい加減うっとうしくてさ」
話しながら透夏を指さす朔夜。
朔夜「そこで、あんただ」
透夏「私?」
朔夜「そう。彼女がいる男になれば、今みたいに付きまとわれることも減るんじゃないかって思ってな」
その真意を理解した透夏は顔を引きつらせる。
透夏「……つまり、私を女子から守るための“壁”にしたいってことですか?」
朔夜「話が早くて助かる」
透夏「なんで私が」
朔夜「んー、そうだな。なんとなく?」
透夏「は?」
朔夜「あれ、ダメ?」
透夏「逆にそんなんで納得できるわけ、なくないですか?」
ひょっとしたらこの人、適当人間なのかもしれない。と、うさん臭いものを見る目になる。
透夏の中で、スイーツ王子のイメージが音をたてて壊れた。
朔夜「えー。面倒だなぁ。……んじゃ、昨日オレをみて逃げようとしたからってのは?」
透夏「はい?」
朔夜「あんたならオレのこと好きにならずに壁に……もとい彼女役できるかなってさ」
透夏「今、彼女のこと壁って言った?」
透夏のツッコミを無視する朔夜。
朔夜「オレはあんたの秘密を守る。その代わり、あんたはオレに向けられる好意を阻む壁になる。どう? お互いwin-winだろ?」
とてもいい笑顔を残す朔夜、空き教室のドアに手をかける。
朔夜「じゃあそう言うことだから」
透夏「え、っちょ、ま」
それだけ言い残して去っていった。
いいともダメとも言っていないが、こうして透夏は実質的な彼女(役)になったのである。
(回想終了)
透夏「つ、付き合うって、なんで!?」
突然の告白に動揺する透夏をよそに、朔夜は意地の悪い顔をしている。
朔夜「オレさ、面倒ごとっ て苦手なんだよね。派閥争いとか、争奪戦とか、そういうの」
透夏「は、はあ」
朔夜「だから余計な面倒に巻き込まれないように、人当たりの良いキャラを演じてるんだけど、そしたら今度は女が群がってきちゃってさ。ほら、オレってさ、自分でいうのもなんだけどモテる要素しかないだろ?」
透夏「自分でいうんですね……」
朔夜のイメージ(スイーツ王子)からかけ離れた朔夜の言動に動揺し、思わずツッコんでしまう。
朔夜「まあ聞けって。群がってくる女子ってステータス目当ての奴ばっかりなんだよな。もううんざりでさぁ。しかもこの高校、変な校則あるだろ?」
透夏「……『恋愛は同校の相手に限る』ってやつですか?」
朔夜「そうそれ。あれのせいで余計に近寄ってきているわけ。で、いい加減うっとうしくてさ」
話しながら透夏を指さす朔夜。
朔夜「そこで、あんただ」
透夏「私?」
朔夜「そう。彼女がいる男になれば、今みたいに付きまとわれることも減るんじゃないかって思ってな」
その真意を理解した透夏は顔を引きつらせる。
透夏「……つまり、私を女子から守るための“壁”にしたいってことですか?」
朔夜「話が早くて助かる」
透夏「なんで私が」
朔夜「んー、そうだな。なんとなく?」
透夏「は?」
朔夜「あれ、ダメ?」
透夏「逆にそんなんで納得できるわけ、なくないですか?」
ひょっとしたらこの人、適当人間なのかもしれない。と、うさん臭いものを見る目になる。
透夏の中で、スイーツ王子のイメージが音をたてて壊れた。
朔夜「えー。面倒だなぁ。……んじゃ、昨日オレをみて逃げようとしたからってのは?」
透夏「はい?」
朔夜「あんたならオレのこと好きにならずに壁に……もとい彼女役できるかなってさ」
透夏「今、彼女のこと壁って言った?」
透夏のツッコミを無視する朔夜。
朔夜「オレはあんたの秘密を守る。その代わり、あんたはオレに向けられる好意を阻む壁になる。どう? お互いwin-winだろ?」
とてもいい笑顔を残す朔夜、空き教室のドアに手をかける。
朔夜「じゃあそう言うことだから」
透夏「え、っちょ、ま」
それだけ言い残して去っていった。
いいともダメとも言っていないが、こうして透夏は実質的な彼女(役)になったのである。
(回想終了)