有名小説作家の彼氏に別れを告げると全力で拒否された
「あーもう。どうしよう」


ルイさんと顔を合わせづらい。乾燥機には20分と表示がされる。それまで、洗濯機に背もたれていた。ピーピーと乾燥が終わった知らせの音を聞いて緊張で体が震える。深呼吸して、乾燥機の扉を開けて、温かいワンピースに袖を通した。


ドキドキしながらリビングに向かうと、ルイさんは新しいシャツに着替えていて、眼鏡をかけ直していた。椅子に座って、窓の外を静かに見ている。


「あの……乾燥機ありがとうございました」

「うん。紅茶ぬるくなっちゃったけど飲んで」

「……はい」


私も椅子に座り、ルイさんの淹れた紅茶を飲む。喉が乾いていたからちょうどいい温度。
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