有名小説作家の彼氏に別れを告げると全力で拒否された
「……ヒナちゃん、俺、こう見えて結構モテるんだ」

「分かりますよ。殴られたいんですか」


いきなり何を言い出すかと思ったら自慢ですか? 思わず本音が出てしまう。


「物欲も執着するものもない子どもだった。勝手にまわりに人が集まってきて。友だちと呼べるかも分からない同級生の話をただ聞いて過ごしていた。

話すのもめんどくさくなって、本を読んで話しかけられないようにした。それから少しずつ小説に興味を持って、物語を字ににしたら賞をとって。

でも、二作目は全然書けなくて。担当からインプットのために色々と経験した方がいいと言われて……」


今日は珍しくよく話す。言葉を選んで、一生懸命に話してくれているのが分かる。
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