有名小説作家の彼氏に別れを告げると全力で拒否された
「ルイさん、私のこと好きですか?」

「好きだよ」

「そうですか」

「……大好きだよ」

「ありがとうございます」


紅茶のカップを置いて、私が立ち上がると、ルイさんが私の右手を掴んだ。


「帰るの?」

「私のことが好きなら分かりますよね。この後、どうするか」


私が笑って言うと、ルイさんの表情が泣きそうな顔になる。それでも私が笑顔でいると。


腕を引かれ、抱き締められた。私の右頬にルイさんの右頬がくっつく。頭と背中を両腕で包んで……。優しいレモングラスの香りがする。
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