有名小説作家の彼氏に別れを告げると全力で拒否された
「ヒナちゃん、好きなんだ」

「……はい」

「本当に初めて好きになった女の子なんだ」


私たちの出会いは、おばあちゃんの隣の家にルイさんが引っ越してきた時。

おばあちゃんが転んで足にケガをした。私が家事のお手伝いに行くとルイさんが家にあがりこんでいて。


詐欺師かと思った私はルイさんからおばあちゃんを引き離すために震えながらも帰ってと何度も怒鳴った。おばあちゃんはケガをして逃げられない。私が守らなくちゃと必死だった。


結局、私の誤解だったんだけど。しっかりと話を聞くと、挨拶に来たルイさんをおばあちゃんがお茶に誘っただけだと知って、私は何度も謝罪した。


ルイさんは震えながら第三者を守る私がかわいく思えたらしく。その日に告白された。もちろん最初は断った。好きなライブに行ったり、友だちと遊ぶことが楽しくて、恋人が欲しいと思ったことがなかったから。

でも、私がおばあちゃんの家に来るたびに、ルイさんはおばあちゃんとお茶をしていて。

おばあちゃんの前でも好きだと伝えてくる。
おばあちゃんもルイさんを応援をして楽しんでいる。


面白い人。私がおばあちゃんの家に行けない日もルイさんがおばあちゃんの様子を見てくれていた。ケガをしてから暗くなったおばあちゃんが以前よりも明るく元気になったのはルイさんのおかげだ。



有名作家の先生なのに、私たちを見下さない。そんな誠実で優しい彼を好きになって、告白を受け入れた。
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