有名小説作家の彼氏に別れを告げると全力で拒否された
「キスして下さい」

「え?」

「潔癖だから彼女の私にもできませんか?」


見上げる私。ルイさんは間をあけずに顔を近づけてきて。


「……そんなわけない。ずっとしたかったんだから」


チュッと触れる唇。


お互いに初めてのキス。


目を開けると、ルイさんは愛おしいものに触れるように、頬、額、耳にキスをして。


くすぐったくて笑うと、ルイさんもふわりと優しく笑った。


「なんで、1ヶ月もキスしてくれなかったんですか?」

「タイミングというか……。これでも初めてなんだから。場所とか、色々考えてたらできなくて」

「フフ。ルイさんらしくない。余裕のある男性だと思っていたのに。でも、嬉しいです。色々と考えてくれてたんですね」

「……ヒナちゃんが初めて好きになった女の子だからね。余裕なんてないよ」



そして、もう一度唇にキスをしてくれた。今度は長く。角度を変えて。

口の中に舌を入れられて、ビクッと体が震えると強く抱き締められる。


「あっ……」


声が無意識に出た瞬間。
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