有名小説作家の彼氏に別れを告げると全力で拒否された
「ねえ」

「え」


窓ばかり見ていた私のあごを右手で挟んで、持ち上げられた。自然と目が合う。


「ちゃんと理由を教えて」


目が笑っていない。急に真剣になるから、胸の鼓動が速くなる。


「は、離して下さい」

「ダメ」

「離したら話します!」

「フッ……」


あ、つぼった。ルイさんはたまにしょうもないことでつぼる。

それでも右手はあごから頬っぺたにスルリと移動して、思わず肩をすくめる。

わ、私、絶対に顔が赤い。
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