線香花火が落ちるまで、君と最初のキスをする



「来れなくて可哀想だと思ったからくそ暑い中、出店まわってやったのに鈴は涼しい部屋でアイスかよ」



なんでよ、なんでそんなことするの?


ほら、花火はじまっちゃったよ

彼女のことほったらかして、私なんかのところにこんな大荷物で



道のばか…



ドンと打ち上がった最初の花火に照らされて、道がくれたものが宝物みたいにキラキラして見える


やめてよ、会いたくなかったよ


夏休みが終わったら学校で普通にしていられるように
今日くらい1人でいたかったの




「後で詳しく聞くから、とりあえずこれ食おうぜ」




「もう、こんなに食べきれないよ…」





なのに、こんなの嬉しくて

泣きそうになる







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