線香花火が落ちるまで、君と最初のキスをする
♢♢♢
「ほら、鈴がつけろよ」
家の庭で縁側に腰掛けた道からキツネライダーのお面を頭に付けられる
道がこれつけながら屋台を回ったと思ったらちょっとおかしくて頬が緩んだ
「こんな昔のライダーのお面、よく見つけたね」
「懐かしいと思ったよ、よく鈴がライダー役で蹴られたし」
「そ、それはちっちゃい頃の話でしょう!?」
そんなこと言うなら私だって道に付き合わされて夜中に何度もトイレについて行ったし、虫だって退治してあげた
今じゃ全部が真逆になっちゃったけど、道の恥ずかしいエピソードは私だって負けないくらいもってるんだから
「花火、庭からじゃ見えないね
2階に行く?私の部屋からなら見えるよきっと」
玄関前ではそれなりに見えていた花火も今は音だけになって、微かな光だけが届いてる
少しずれただけで全然見えないや