線香花火が落ちるまで、君と最初のキスをする
「…部屋はまずいだろ」
「なんで?それなりに綺麗だよ?」
「そういう問題じゃねぇよ…」
幼なじみなんだから部屋になんて何回も来てるのになにがまずいんだろう?
…あぁ、そっか
彼女、いるもんね
いくら幼なじみとはいえ異性の部屋になんて私が軽率だった
また胸が苦しくなって息がしにくいや…
「つーか、今年の金魚すくいは俺の不戦勝な
そこの池にいれてやれよ」
毎年私と道で密かに開催されていた金魚すくいゲーム
いつもどっちが多く金魚をすくえるか勝負して、持ち帰った金魚はうちの庭の池で育てている
毎年接戦だったのに、今年は私の負けらしい
「はい、道に捕まった可哀想な金魚さんはうちでのびのび暮らしてね〜」
そっと池に流すと数匹の金魚達が一斉に線を描いて泳いでいった。
元々いた金魚は新入りの子達に比べてとても大きくなっている