線香花火が落ちるまで、君と最初のキスをする
「っ…、ばかやろー…
勝手に勘違いしやがって、俺がお前以外のやつ好きになるわけねぇだろ…」
ぎゅ、と苦しいくらいに抱きしめられて道の肩に埋もれた
道の匂いがする…
それと、心臓の音
私も応えるように大きくて広い背中に精一杯両手を伸ばした
「…うん、ごめん…ずっと言えなくて
道との関係壊れるのが怖かったの…」
「俺も怖かったよ…
だから後戻り出来ないように今年は絶対鈴を俺のものにするって、みんなに宣言してた」
それが歪んで私に伝わっちゃったわけだ…
もう、本当に怖かったんだから
「もう、道も言うの遅いよ…」
「悪かった…こんなに泣かせるはずじゃなかったんだよ」
道がそんなふうに思ってくれて
抱きしめられていることが嬉しくて
今ある幸せを零さないように
私は強く、強く道を抱きしめた