線香花火が落ちるまで、君と最初のキスをする




♢♢♢



「鈴、こっちむけ…」



まだぎゅ、ってしててほしいのに

離れてしまった道は両手で私の頬を挟む


花火大会はとっくに終わっていていつの間にか音は聞こえなくなっていた



「…?」



「目、閉じろよ」




暑さと泣いたせいで頭がクラクラする


目…?

ん…?



気づけば道との距離は数センチ

驚いたと同時に私はすかさず道の唇に両手を押し付けてしまった




「んだよこれ、どけろ」



「み、道っ…!?なにするの!?」




口を抑えられた道の眉間に一気にシワが寄って私を睨む




「なにって、今することなんか1つだろ」



「まっ、まって!まってよ…っ」



さっきやっと気持ちを伝えたばかりでき、キスなんて


頭がぐちゃぐちゃで追いつかないよっ




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