線香花火が落ちるまで、君と最初のキスをする


それから私は道からの誘いは全部断った



『海行こーぜ』とか『映画行かね?お前ホラーすきだろ?』とか



彼女と行きなよ、なんて思うけどその後の返信が帰ってくることが怖くて言えなかった


それに、彼女いるのに
前と変わらない態度で遊びになんて誘ってきて


意味わかんないよ…





「ずー…ねぇ、鈴ってば!」



「っ、ごめん…なに?」



胸が締め付けられるような思いから、春音の声で現実に引き戻される

考え事してたら声が全然聞こえなかったよ



「だぁかぁらぁ、ここ、教えてよぉー…
さっきから何回も間違える〜」



「はいはい、ここは…って、お菓子食べてないでちゃんと聞くー!」



私にお菓子を取り上げられそうになって急いで口に詰め込んでいる春音

リスみたいだよ…


でも、春音が来てくれてよかった

一人だったらまた泣いてただろうし



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