線香花火が落ちるまで、君と最初のキスをする


蒸し暑さで額に汗をかきながらコンビニの袋をさげ、買ったばかりの当たり付きアイスを食べる


ソーダ味って久しぶりに食べたけど、さっぱりしてて美味しいな


口の中がひんやりした甘さで気持ちいい


思っていたよりも早く、アイスが棒を滑って私はそれを口に含んだ



「…ん、あたりだ」



久しぶりにこのアイスを食べたのが吉とでたらしい


平べったい木の棒にあたりの文字が彫ってある


もう子供じゃないけどやっぱりちょっとだけ嬉しかったりするんだよねこういうの


だけど、胸に引っかかったままの思いとはちぐはぐでなんだか変な感じ



なんてことを考えていたら家に着いて、
花火そろそろはじまるかななんて思っていたら



「え…」



私の家の玄関に人影を見つけた




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