《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!

 レオヴァルトは周囲に人気がないのを確認すると、懲罰室の扉にユフィリアを促した。
 ドアノブに掛かった頑丈そうな錠前に翳《かざ》したレオヴァルトの手のひらから、金色の光がほとばしる。見る間に扉が元通りに施錠されてしまったのには、さすがのユフィリアも驚いてしまう。

「これでしばらくは気付かれないだろう。騒ぎになった時は私に攫《さら》われたとでも言えばいい」
「なんかすごいんだけどっ。それって……魔術?!」
「《魔法》だと言ったろう」
「魔法と魔術ってどう違うのよ」
「さぁな」
「さぁあなって、あんた魔術も使うんでしょう、知らないの?」

 話す間にも、レオヴァルトはユフィリアの手首を掴《つか》んで懲罰室がある地下の廊下をどんどん進んでいく。

「だから痛いってば」
「……うるさい女だな」
「どこに連れてくのよ」
「私の寝所だ」

 男が寝所に年頃の女を連れ込もうとする意図といえば、思い当たるのは一つしかない。




 
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