《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「言い忘れてたけど、その……。助けてくれて、ありがと」
ぼそぼそと尻すぼみに言う。
返事をする代わりに、レオヴァルトが少しだけ口角を上げた気がした。
*
レオヴァルトの部屋は、やたら広いが薄暗く、埃っぽかった。
部屋の隅っこにそっけないベッドとクローゼットが置かれているだけ。奥の扉の向こうはバスルームだろうか。
あとは小さな文机と一脚の椅子。
そんな簡素な部屋には、かろうじて顔が出せるほどの小さな窓ひとつしかない。
——こんなところで生活させられてるの……?