《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「あの火、黄金色《きんいろ》……すごく綺麗……っ」
火がついた洋燈をひどく興味深げに……瞳を輝かせながら見つめている。
──この程度の魔法が珍しかったのか?
こんなに喜ぶのなら、別のも見せてやりたくなるな。
レオヴァルトがこっそり微笑みを漏らしたのを、ユフィリアは気付かない。
「いいから座れ──ユフィリア。大事な話があるから部屋《ここ》に連れてきたんだ」
「……ほえ?」
大事な話があると聞いて、洋燈の炎をぼんやりと眺めていたユフィリアは、ようやくレオヴァルトに視線を移したのだった。
*
ユフィリアが椅子に腰をおろすと、レオヴァルトは隣の文机に浅く腰かけて腕を組む。
漆黒の騎士服を見上げると、その視線は窓辺の方を向いていた。
──ほんと綺麗な顔してる。横顔もいい。
けれどいくら国宝級のイケメンであっても見惚れている場合ではないと、頭を振って慌てて邪念を振り払う。
「で……話って? 人に聞かれるとまずいことなの?」