《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
いつもの揶揄うような表情でなく、ユフィリアに意識を戻したレオヴァルトはひどく真剣な眼差しで見下ろしてくる。
「単刀直入に聞く。レイモンド卿とは折り合いが悪いのか?」
「ええ、悪いわよ」
「えらくあっさり認めるんだな」
「悪いどころか最悪。というか険悪。あの人と馬が合うのはイザベラくらいでしょ……っていうかっ、今更そんなことを知ってどうするの。レイモンドからも聞いているでしょう、ユフィリアは《《来る者を拒む》》無能聖女だとか何とか」
「ああ、聞いているよ」
腕を組んだままのレオヴァルトがクスッと、と微笑《わら》う。
「わっ、私が言ったことを告げ口したって、あの悪魔は動じないわよ?」
「知ってる。レイモンドに聞いた通り、ユフィリアは《無能なクズ聖女》だからな……」
悪態をついておきながら、レオヴァルトはやはり何故だか、朗らかに微笑んでいる。
──ん……?
なんだか様子がおかしいぞ、とユフィリアの警戒心のアンテナが立ち上がる。
──ユフィリアって、呼ばれた?