《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「へぇ……なんでもですか。じゃあ、もし私が『この世界を手に入れたい』って言ったら、叶えてくれるのかしら〜?」
いかにも信じていないというふうにユフィリアが不適な笑みを浮かべるが、レオヴァルトは平然としていて動じない。
「ああ、叶えてやる」
「さすがに嘘でしょ、世界征服でも叶えられるって言うの? 大口たたくのもいい加減に……っ」
唐突にレオヴァルトの手のひらがユフィリアの後頭部を、ぐい、と引き寄せた。
——なっ?!
息を吐く間もなく、顔と顔とが急接近する。
「冗談でも戯言でもない。私は万能だと言ったろう………信じろ」
レオヴァルトの視界に捉えられれば、剣呑な光を宿した黄金の瞳が額に落ちた前髪の奥に揺れていた。
不思議な眼《め》だ、とユフィリアは思う。
透き通る瞳は冷たく威圧的で、征服されそうな印象を受ける。けれどその瞳の裏側には、あたたかく柔らかな灯火を宿しているようにも見えて。