《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を蕩けるほどに甘やかす〜ループ二度目なので溺愛は拒否させていただきます!
「私がユフィリアを信用させられたら、治癒を拒む理由を話してくれるんだな?」
「レオ……は、私のことをただの傲慢なクズ聖女だって思ってるんでしょう? だったら理由なんてわざわざ聞く必要ないじゃない」
文机にもたれたままの黒騎士の腕が伸びてくる。
しなやかで綺麗な指先が、そっぽを向いたユフィリアの顎をくい、と持ち上げた。
「傲慢なだけのくだらない女に、万能の私が妻になって欲しいなんて頼むと思うか?」
目を眇めたレオヴァルトの形良い唇が緩やかな弧をえがく。
耳に届くのは、まるで愛でも囁いているかのような、甘い響きを伴った低い声だ。
──え……っと。
なんなの、この艶《なま》めかしい状況はぁっ!